いえつく4@ウブド 竣工写真と設計概要

竣工写真は全て、ForwardStroke 奥村浩司さんに撮影いただきました。


▲平面図


▲断面図1


▲断面図2

■設計概要
日本人夫婦2人が移住して暮らすバリ島の住宅。敷地はウブド近郊、木彫りの町マス村。聖峰アグン山と棚田を臨むバリらしい田園風景です。

バリでは、強烈な日射とスコールを遮る屋根を架け、そこに風を通せば、心地良い南国ならではの気持ちの良い空間が生まれます。「生活領域」≒「影の下」と言った感じです。

「いえつく」は、空調に頼った閉じた空間ではなく、心地よいバリの気候を存分に感じられる開いた提案をしました。

敷地に大きな屋根を架け
涼やかな日影をつくり
その下に壁をくねくねと立て
部屋をつくる

両隣地からのプライバシーに配慮し、一定の囲われ感を保ちつつも、風が通り抜け、光が回折し、内と外が混じり合うような平面計画です。それぞれの部屋は壁で隔てられていますが、緩やかに外部へと繋がっています。外の環境が家の中に滲みこんでくような、もしくは家が外へと滲み出してゆくような感覚です。

それぞれの部屋は一つの屋根の下で繋がり、天井面で一体的な開放感を感じることができます。
北側にプールを配置することで、強烈な太陽の光はプールの水面に反射し、柔らかな光となって、天井面を柔らかく照らし上げます。(バリは南半球ですので、太陽は正午には北の空に見えます。)

バリの伝統的技術、標準的技術をベースにこの計画を進めました。バリの工法はその気候から、基本的にはメンテフリーではなく、定期的な交換や手直しがベースにあります。

いえつくから施主夫婦に「バリに移住して暮らすにあたり、家の定期的なお手入れは、単に面倒なものではなく、常に現地の知人や大工さんと関わりを持ち、永続的な現地コミュニティの参加を促すのではないでしょうか。」という話をしました。施主夫婦も現地の工法のそういった特徴を面倒だと考えるのではなく、むしろ、家のお手入れを介した交流に強い共感を頂き、提案を快諾いただき、2011年、「いえつく4@ウブド」は無事完成しました。

■基本設計書(PDF)
こちらからダウンロードしてください。

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