現地レポート 12月29日

水野と穂積でバリに行った時には内装工事と言えば、トイレの凹凸壁の施工くらいでしたが、その後、本格的に内装が始まりました。
この建物は、バリの気候に合わせオープンエアな空間構成をとっていますが、オープンエアであるのにプライバシーの関係で四周を壁で囲ってしまう構成は本末転倒なので、その辺りにだいぶ工夫をこらしました。通常のバリの伝統的な住宅のように家の周りに庭があってそれを塀が囲うのではなく、塀の壁と家の壁が混ざり合うように、くねくねと連続し、その結果、プライバシーを保ちながら開放感を獲得するような作りです。

遠くに見えるアグン山や棚田を臨み、空調する寝室以外は緩やかに外へと繋がる平面計画です。それを一つの大きなアランアランの屋根が覆っています。一つの大きな屋根の下にいながらも、壁で仕切られた様々な場所をもった住宅です。この開放的な空間にはバリの心地よい風が通り抜けます。これは設計時の段階で 雨季と乾季の風と温度分布のシミュレーションを 東京理科大学 環境研 小笠原助教に協力をいただきました。水野と穂積も現地で体験してきましたが、バリは日影に入り、風が抜ければ、最高に気持ちのいい空間になります。

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